40代で未経験から経理へ転職すると、今の年収をそのまま維持できるとは限りません。
ただし、「40代未経験なら必ず年収が下がる」と決めることもできません。前職の経験、応募先、雇用形態、担当業務によって条件が変わるためです。
先に確認したいのは、経理の平均年収ではなく、自分がどこまで年収を下げられるかです。
この記事では、現在年収・最低生活費・許容できる下げ幅の3つを出し、未経験可の求人条件と照らして判断する方法を整理します。
先に結論
40代未経験の経理転職では、平均年収を自分の転職後年収として使わず、生活を維持できる下限を先に決めます。下限に合う経理求人が少ない場合は、経理だけに絞らず、前職経験を生かせる管理部門・隣接職種や、現職を続けながら準備するルートも比較します。
経理の平均年収と「40代未経験の入口年収」は別に考える

2026年10月4日に確認した厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag「経理事務」では、全国の賃金(年収)は512.2万円、平均年齢は44歳です。ハローワーク求人統計の求人賃金(月額)は、令和7年度の全国値で25.2万円と掲載されています。
ただし、これらは40代未経験者だけを切り出した転職後年収ではありません。job tag自身も、掲載される統計データは必ずしもその職業だけの数字ではないと注意しています。
そのため、512.2万円を「40代ならこのくらいもらえる」と考えるのも、25.2万円を「未経験ならこの月給になる」と考えるのも避けます。
使い方はシンプルです。平均値は経理という職業を広く見るために使い、自分の転職判断は実際の求人票と内定時の提示条件で行います。
求人を見る前に「3つの数字」を決める

求人サイトを開く前に、次の3つをメモします。
- 現在の額面年収
- 毎月の最低生活費
- 許容できる年収の下げ幅
1. 現在年収は「額面」で確認する
まず源泉徴収票などで、現在の年間収入を確認します。月の手取りだけでは、賞与や手当を含む年間差が見えにくいためです。
求人票も、月給だけでなく想定年収、賞与、固定手当、固定残業代の有無まで確認します。
2. 最低生活費は「削れない支出」から出す
住宅費、食費、水道光熱費、通信費、保険、教育費、ローンなど、転職しても止めにくい支出を合計します。
年払いの保険、自動車関係費などがあれば12で割って月額へ直します。近い将来に教育費や返済額が増える予定が決まっているなら、その分も別に見ておきます。
ここで出した最低生活費は手取りで必要な金額です。求人票の額面年収とそのまま比較せず、内定時には提示条件から手取り見込みも確認します。
3. 許容できる下げ幅を先に決める
たとえば現在の額面年収が500万円で、「60万円までなら下げられる」と決めたなら、最初の額面下限は440万円です。
求人レンジが400万〜500万円なら、上限500万円だけを見ず、未経験で入る場合にどの金額から始まる可能性があるかを確認します。
年収を下げられる幅は家庭ごとに違います。他人の転職事例より、自分の家計を優先してください。
| 確認する数字 | 何を見るか | 使い方 |
|---|---|---|
| 現在年収 | 源泉徴収票など | 今の条件との差を見る |
| 最低生活費 | 毎月の必須支出 | 手取りで守る下限を見る |
| 許容下げ幅 | 現在年収と家計 | 応募しない条件を先に決める |
未経験可の求人票は「年収の下限」から見る
未経験可の経理求人で年収レンジが「350万〜500万円」と書かれていても、未経験者が500万円から始まるとは限りません。
まず下限年収を見て、自分の額面下限を満たすか確認します。次に、何を基準に提示額が決まるのかを見ます。
月給の内訳を確認する
基本給、固定手当、固定残業代を分けて確認します。試用期間中に条件が変わる場合は、その期間の月給も見ます。
賞与がある求人でも、初年度の支給条件や算定方法が分からなければ、毎月の固定費を賞与頼みで組まない方が安全です。
「未経験可」が何を指すか確認する
経理職そのものが未経験でもよいのか、業界未経験でもよいのか、求人ごとに意味が違います。
簿記、Excel、会計ソフト、事務経験など、必須条件と歓迎条件を分けます。
資格の必要性は求人票で確認できます。年収が不安だからという理由だけで、先に資格を増やす必要はありません。
最初に担当する業務を見る
仕訳入力や請求処理から始める求人と、月次決算まで求める求人では、入口の難易度が違います。
未経験で入社した場合に最初に何を担当するのか、誰に確認できるのか、引き継ぎや教育体制があるのかも確認します。
入口年収と、経験後の条件を分けて見る
未経験で入るときの条件と、実務経験を積んだ後の条件は分けて確認します。
求人票や面接で、昇給制度、評価の考え方、担当範囲が広がった場合の役割などを確認できます。ただし「何年働けば必ず○万円上がる」とは考えず、会社ごとの制度と実績を確認してください。
40代未経験から経理へ進む全体の条件は、40代で経理未経験から転職する現実的な進め方でも整理しています。
年収を大きく下げられないなら、経理だけに絞らない

経理へ行きたい気持ちがあっても、生活ラインを下回る求人しかないなら、選択肢を増やした方がよい場合があります。
とくに40代では、これまでの仕事を全部捨てて「完全未経験」として扱うより、前職経験と経理の接点を探す方が比較できる求人が増えることがあります。
| 前職で扱ったこと | 比較できる仕事 | 見る接点 |
|---|---|---|
| 請求・売上管理 | 営業事務・経理補助 | 請求、入金、売掛管理 |
| 仕入・在庫管理 | 購買・管理部門 | 仕入、支払、在庫 |
| 勤怠・給与関連 | 人事労務・給与事務 | 勤怠、給与、社会保険周辺 |
| 店舗の売上・現金管理 | 店舗管理・経理補助 | 売上集計、現金、経費 |
年収をほとんど下げられないなら、現職を続けながら経理求人と隣接職種を見比べる方法もあります。
一定の下げ幅を許容できるなら、未経験経理も候補に残し、仕事内容とその後に積める経験まで確認します。
「経理になること」より、「今の収入を守りながら管理部門で使える経験を増やすこと」を優先した方がよい人もいます。
こんな求人は一度止まって確認する
次のどれかに当てはまる求人は、応募前または面接で条件を確認します。
- 年収レンジの下限が自分の額面下限を大きく下回る
- 未経験者の提示額がどう決まるか分からない
- 固定残業代や試用期間の条件が分かりにくい
- 「未経験可」だが最初に任される業務が分からない
- 教育体制や質問できる相手が分からない
- 年収だけでなく、残業・通勤・休日を含めると生活と合わない
年収以外の負担も見たい場合は、経理未経験がしんどいと言われる理由と職場条件も確認できます。
応募候補は3段階に分ける
求人を見たら、最初から「応募する/しない」の二択にする必要はありません。
見送る
確認できる条件では生活ラインを下回る、必須条件を満たせない、勤務条件が生活と合わない。
確認する
提示年収、賞与、試用期間、固定残業代、最初の担当業務などが分かれば判断できる。
応募候補に残す
年収下限と生活条件が大きく外れず、未経験から担当する業務も確認できる。
この分け方なら、「採用してもらえるか」だけでなく、自分がその条件を選びたいかも同じ重さで考えられます。
よくある質問
40代未経験で経理へ転職した場合の年収はいくらですか?
40代未経験者だけを切り出した全国平均は、この記事で確認したjob tagには掲載されていません。job tagの経理事務の年収512.2万円は職業分類全体の参考値です。実際の判断は個別求人の年収下限と提示条件で行います。
40代未経験なら年収は必ず下がりますか?
必ず下がるとは言えません。現在年収、前職経験、企業規模、雇用形態、担当業務などで変わります。年収維持を前提にせず、どこまで下げられるかを先に決めて求人を比較する方が現実的です。
年収を下げたくないなら経理転職は諦めるべきですか?
経理だけに絞る必要はありません。前職経験を生かせる営業事務、購買、総務、人事労務などの管理部門も比較できます。現職を続けながら求人を確認する方法もあります。
年収を上げるために簿記2級を先に取るべきですか?
資格だけで年収が上がるとは限りません。希望求人で簿記2級が必須・歓迎なのか、実務経験の方が強く求められているのかを先に確認します。
まとめ|平均年収ではなく「自分の下限」で判断する
40代未経験で経理へ転職するとき、平均年収だけでは自分の転職後収入は分かりません。
- 現在の額面年収を確認する
- 毎月の最低生活費を出す
- 許容できる年収の下げ幅を決める
- 未経験可求人は年収レンジの下限から見る
- 提示額の決まり方、月給内訳、担当業務を確認する
- 年収を下げにくいなら、隣接職種や現職継続も比較する
経理へ転職するかどうかは、「平均より高いか」ではなく、その条件で自分の生活を続けられるかで判断します。
次に読むなら
- 40代未経験の経理転職を全体から整理する → 40代で経理未経験から転職する進め方
- 年収以外の負担も確認する → 経理未経験がしんどいと言われる理由
- 求人・相談先まで具体化する → 経理未経験の転職支援の選び方
- まだ方向を決めきれない → HOMEで別の選択肢を見る


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