簿記3級のネット試験を難しいと感じる人・慣れれば対応できる人
試験内容が同じである以上、対策すべきなのは操作面と時間配分への慣れです。
まず、自分がどちらに近いかを確認してください。

慣れれば対応できる人
- 公式サンプル問題を、実際に時間を計って解いたことがある
- 電卓を使いながら、画面上で計算過程をメモする練習をしたことがある
- 紙の問題集だけでなく、画面での演習も一度は経験している
- 60分間の時間配分を、大問ごとにおおよそ決めている
向かない人に見えても、実際は準備がまだの人(対策を追加したほうがいい人)
- 紙の問題集だけで勉強しており、画面での演習をまだ試していない
- 電卓を持ち込む予定だが、画面と電卓を同時に見ながら解く練習をしていない
- 60分の時間配分を、一度も計って確認したことがない
- 問題ごとの計算メモを、どこにどう残すか決めていない
不安が残りやすい条件に複数当てはまっても、それは学習の進め方の失敗を意味しません。
ここまでの学習で仕訳や計算の理解が進んでいる場合、多くのケースでは画面操作への慣れを足すだけで、本番への不安を減らせます。
ただし、パソコンやスマホの操作そのものに苦手意識が強い方は、練習を1回試しただけでは不安が残ることもあります。
その場合は、1回で判断せず、公式サンプル問題を複数回解いて操作に慣れる回数を増やすほうが現実的です。
画面操作・計算メモで戸惑いやすいポイント
ネット試験で特に戸惑いやすいのが、計算過程のメモの取り方です。
ここから挙げる操作面の特徴は、受験者の体験談で繰り返し語られている内容です。
会場やシステムの仕様によって細部が異なる場合もあるため、正確な操作方法は公式サンプル問題や受験予定の会場案内で確認してください。
紙の試験であれば問題用紙の余白に自由に書き込めますが、ネット試験では問題文が画面に表示されるだけで、問題用紙そのものへの書き込みができません。
計算過程は、配布される計算用紙や画面上のメモ機能を使って別に残すことになります。
普段、問題文の横に下書きをしながら解く習慣がある人ほど、この違いに最初は戸惑いやすい傾向があります。
また、紙の試験なら問題冊子をめくって全体を見渡せますが、ネット試験は画面をスクロールしながら問題を確認する必要があります。
「後回しにした問題がどこにあったか」を画面上で見失いやすいという声も、体験談ではよく見かけます。
電卓を打ちながら画面の入力欄に数字を入れるという、視線と手の動きを切り替える作業にも慣れが必要です。
選択式の問題では画面をクリックして選ぶ形式が中心になるため、紙にペンで書き込む感覚とは操作そのものが異なります。
あなたがこれまで紙の問題集だけで演習してきたなら、ここに挙げた「書き込めない」「見渡せない」という2点こそ、本番で最初に戸惑いやすいポイントだと考えておいてください。
これらはどれも、事前に本番に近い形式で練習しておけば解消できる部分です。

60分の時間配分の目安
時間配分に不安がある方のために、考え方を示しておきます。
簿記3級は第1問(仕訳)・第2問(帳簿など)・第3問(決算)で構成されますが、大問ごとの具体的な配点は日本商工会議所の公式試験要項には明記されていません。
配点が読めない以上、「この大問は軽く済ませていい」という前提で時間配分を決めるのは避けたほうが安全です。
実務的な考え方としては、まず公式サンプル問題を通しで解いてみて、自分がどの大問にどれくらいの時間を使っているかを実際に計測することです。
あなたが公式サンプル問題を解くときは、大問ごとにかかった時間をメモしながら進めてみてください。
集計作業の多い第3問で時間が想定以上にかかっていないか、逆に見直しの時間が残っていないかを確認するだけでも、本番でのペース配分がつかみやすくなります。
配点を推測して手を抜く大問を決めるより、どの大問にも一定の時間を確保できるよう、通しで解く練習を重ねるほうが安定した進め方になります。
もう一つ、事前に決めておきたいのが解く順番です。
画面をスクロールして別の問題に移ること自体は可能な場合が多いですが、見渡せる範囲は紙の試験より狭くなります。
後回しにした問題がどこにあったかを画面上で見失うと、それだけで時間をロスします。
「今どの問題を解いているか」を見失わないためにも、解く順番はその場で決めるのではなく、事前に決めておいたほうが安全です。
本番前に試しておきたい準備

対策として最も効果的なのは、日本商工会議所の公式サンプル問題を時間を計って解いてみることです。
日本商工会議所が無料で公開しており、申込みも不要で、本番に近い形式を体験できます。
解く際は、実際に電卓を用意し、計算メモをどこに残すかも決めた上で、60分という制限時間を守って取り組んでください。
この1回で確認できることは2つあります。
1つは、画面操作や計算メモの取り方に迷わず対応できるかという操作面の確認です。
もう1つは、60分以内に、内容面でも合格ラインに届く手応えがあるかという、演習量そのものの確認です。
操作には慣れていても点数が届かない場合は、原因が操作面ではなく演習量にある可能性があります。
その場合も、すぐに受講先を決める必要はありません。
簿記講座の一覧で教材や学習方法を見比べ、自分に不足している範囲を補える選択肢があるか確かめてから判断できます。
受験する会場によっては、当日に操作説明や練習問題が用意されている場合もあるため、予約先の案内も事前に確認しておくと安心です。
あわせて、受験日そのものも早めに押さえておいてください。
ネット試験の日程は各会場が設定するため、毎週実施している会場もあれば、月に数回という会場もあります。
さらに統一試験の前後は施行休止期間にあたり、受験できません。
「準備ができたら受ければいい」と考えていると、希望する時期に空きがないことがあります。
学習計画は、受験できる日を先に確認してから逆算するほうが安全です。
なお、当日は本人確認証がないと受験できず、その場合も受験料は返金されません。
独学ガイド編集部より
操作面の不安が強い場合、「ネット試験をやめて統一試験にする」という選択も可能です。ただし統一試験は年3回しか実施されないため、直近の試験日程に間に合わない場合は選択肢になりません。操作への不安であれば、試験方式を変えるより、公式サンプル問題で練習を重ねるほうが、遠回りにならずに済むことが多いです。
分かっていても後回しにしやすい理由
ここまで読んで、「公式サンプル問題を解けばいい」と分かっていても、実際に手をつけられていない方もいるはずです。
これは珍しいことではありません。
多くの場合、後回しになる理由は「やり方が分からない」ことよりも、「練習のための時間をわざわざ確保する余力がない」ことにあります。
特に仕事や家事の合間で学習時間を確保している方は、問題演習の時間は取れても、本番形式に慣れるためだけの時間を別に作るのは負担に感じやすいものです。
だからこそ、最初の一歩は大きく構える必要はありません。
公式サンプル問題を最初から60分通しで解こうとせず、最初の一歩としては、画面の操作性だけを5分ほど確認してみる、という程度でも構いません。
画面・スクロール・入力・メモという制約に一度触れておくだけでも、操作面の戸惑いは減らせます。
必要なのは知識の追加より、慣れの一歩です。
ただし、本番特有の緊張や時間のプレッシャーまでは、事前の練習だけでは完全に消えません。
操作に慣れておくことは、緊張のもとになる要素を1つ減らすための備え、という位置づけで考えておいてください。
講座を比べる前に確認しておきたいこと
公式サンプル問題を解いても不安が残り、通信講座を比べる場合、次の点を確認しておくと判断しやすくなります。
簿記3級に対応した講座か、2級まで含む講座か。
講義を見るだけでなく、ネット試験を想定した問題演習まで用意されているか。
教育訓練給付制度の対象になるかどうかは、講座やコースによって条件が異なるため、公式サイトまたは資料で最新の対象可否を確認してください。
料金やキャンペーンは変更されることがあるため、判断の基準は資料請求時点の公式情報にしてください。


コメント