配点表の代わりに、自分の得点記録で決める
公表されていない数字を追うのをやめると、代わりに使える材料が手元にあります。
あなた自身が過去問で取った点数です。
推定配点表は教材や各社が学習用に示している目安で、公式の固定配点ではありません。
一方、自分の演習記録には、どの論点で正答が少なく、どこで時間を使ったかが残ります。
着手順を決めるときは、この記録を使います。
大問ごとに点数を書き出す
やることは単純です。
過去問を解いたら、大問ごとに「合っていた問題の数」と「かかった時間」を書き出します。
正答数は、配点が分からなくても数えられます。
市販の問題集や過去問集には解答が付いているので、丸つけさえすれば必ず出せます。
記録する欄(最大5題)
- 第1問(仕訳) ◯問中◯問正解/かかった時間
- 第2問 ◯問中◯問正解/かかった時間
- 第3問 ◯問中◯問正解/かかった時間
- 第4問(工業簿記) ◯問中◯問正解/かかった時間
- 第5問(工業簿記) ◯問中◯問正解/かかった時間
問題集に推定配点つきの採点表があるなら、その点数も記録して構いません。
ただし、その点数は同じ教材内で伸びを比べるための目盛りです。
配点表がない問題は正答数で記録します。
点数と正答数を回ごとに混ぜなければ、どちらでも弱点の移動は追えます。

正答数だけでなく、その大問にかかった時間も一緒に書いておきます。
正解が少ない理由が理解不足なのか時間切れなのかは、時間を見ないと分かれません。
複数回分たまるほど傾向を見やすくなります。
毎回同じ大問で正解が少ないなら、そこが弱点です。
回によって正答数が上下するなら、出題論点の当たり外れに振られている可能性が高くなります。
推定表より自分の弱点に合う理由
推定配点表は「一般的にこの問題は何点か」を示すものです。
あなたの得点記録は「あなたが実際にどこで何点落としたか」を示します。
たとえば第2問が毎回4点で止まっているとします。
ここに勉強時間を足すより、確実に取れている大問を本番で落とさない練習をしたほうが、合計点は伸びます。
この判断は、第2問の配点が20点であっても28点であっても変わりません。
配点が分かっても、自分がそこで何点取れるかが分からなければ、捨てる判断はできません。
配点を調べるもう一つの理由が「本番90分をどう割り振るか」であれば、そちらも同じです。
配点の大きい大問に長く時間をかけるのが正解とは限りません。
20点の大問に30分かけて半分しか取れないより、確実に取れる大問を落とさないほうが合計は伸びます。
時間の割り振りは、自分の得点効率で決めたほうが精度が上がります。
記録から読み取る3パターン
複数回の記録がたまったら、次の3つのどれに当てはまるかを見ます。
①毎回同じ大問で落ちている
その論点の理解が足りていません。中身の問題なので、テキストに戻ります。
②後半の大問だけ正解が少ない
時間切れの可能性が高い。解く順番を変えるだけで正答数が動くことがあります。
③回によって正答数がばらつく
出題される論点の当たり外れに左右されています。得意分野が狭いサインなので、範囲を広げます。
同じ60点でも、この3つで次にやることはまったく変わります。
合計点だけを見ていると、この違いが見えません。
たとえば1回目は第4問の正答が少なく、2回目は第4問をほぼ解けたとします。
理解が安定した可能性と、問題の難度差の両方が考えられます。
この時点で「得意になった」と決めず、3回目での再現を確かめましょう。
逆に、2回続けて同じ誤り方をしたなら、論点の復習へ戻る根拠になります。
記録は、同じ症状が繰り返されるかを確かめるために使うものです。

70点までの道筋を1つ決める
各大問の満点が分からない以上、点数を足して70点を作ることはできません。
代わりに決めるのは、取りに行く順番です。
記録を見て、5つの大問を3つに仕分けていきます。
①先に取り組む:複数回の演習で正答が安定し、所要時間も読みやすい問題。本番で先に着手する候補
②次に取り組む:正答できる回もあるが、所要時間や正答数がぶれやすい問題。①の後に着手する候補
③後回し候補:複数回の演習で正答が少なく、時間もかかっている問題。復習後に順番を再評価する
後回し候補を無理に作る必要はありません。
重要なのは、本番で迷わないよう着手する順番を先に決めておくことです。
決めておかないと、全部を追いかけて時間切れになります。
どの論点を捨てるかで迷う場合は、簿記2級の連結会計は捨てていいのかで、捨てる場合の条件を整理しています。
優先順位は、次の過去問で実際に試して完成させます。
「先に取り組む」と決めた問題から着手し、90分で最後まで進めるかを試してください。
前半で時間を使い切ったら、順位のつけ方を見直す合図です。
後回しの大問に十分な時間が残ったら、次は「時間があれば取る」を1つ前へ動かせます。
複数回試し、90分の中で安定して進められる順序へ調整します。

「第1問が難しい」「第2問が難しい」と感じたとき
配点と並んで検索候補に出てくるのが、この2つです。
どちらも配点の大きさより、詰まり方の種類が違います。
第1問は仕訳問題です。
複数題がまとまって出るため、ここを落とすと影響が広がります。
ここで詰まるときは、問題文のどの語が勘定科目に対応するかを読み取れていないことが多い。
対策は仕訳を増やすことより、同じ論点の問題文を並べて読み比べることです。
第2問は、回によって出題される論点が大きく変わり、連結会計や株主資本等変動計算書のような範囲の広い論点も入ります。
「難しい」と感じる背景には、出題論点の当たり外れの幅があります。
だから第2問は、記録の3パターンでいえば③に当たりやすい大問です。
ここを全部押さえようとすると学習量が跳ね上がるので、点が読める大問を先に固めてから戻るほうが合計は伸びます。
第1問で止まった日は、誤った仕訳の答えだけを覚え直しても再発を防ぎにくいです。
問題文の「売上げた」「前受けした」「決済した」といった手がかりと、借方・貸方の動きを組にして見直しましょう。
第2問で止まった日は、その回の論点が未学習だったのか、学習済みなのに手順がつながらなかったのかを分けます。
未学習なら範囲を広げ、学習済みなら時間を測らず解き直し、途中式のどこで止まったかを特定してください。
「難しかった」をこの粒度まで分解できれば、次に開くページが決まります。

💡 判断軸
「この大問は難しい」で止めず、時間をかければ解けたのかまで見てください。
時間があれば解けたなら順番の問題、時間をかけても解けなかったなら理解の問題です。
同じ「難しい」でも、次にやることが逆になります。
よくある質問
ここからは、配点を調べたときに残りやすい疑問を、公式に確認できる範囲と実践上の目安に分けて答えます。
「公式」と書いていない目安は、教材や過去問演習の中で使う学習用の基準です。

この方法が向かない人・急がなくていい人
まだこの記事の内容が要らない人
- まだ過去問に入っていない(記録するものがないため、先にテキストを1周する)
- 工業簿記が未着手(着手順を決める前に、全体像を見る必要がある)
今日から使える人
- 過去問を1回以上解いていて、点数が60点前後で止まっている
- どこを直せば70点に届くかが分からない
まとめ:配点表探しを終え、自分の点数表を作る
公式が示しているのは「70%以上」という基準だけです。
科目別も大問別も公表されておらず、検索で見つかる配点表はすべて推定です。
着手順は、自分が実際にどこで正答でき、どこで時間を使っているかを見て調整します。
今日やること
配点表を探す時間を、自分の演習記録を作る時間に変えてください。
最大5題分の欄を用意し、その回で出題された問題ごとに正答数と所要時間を記録します。
複数回分たまれば、先に取り組む問題と後回し候補を判断しやすくなります。
▷ 何かを買う必要も、申し込む必要もありません。

試験の全体像から確認したい場合は、簿記2級とは?公式の数字で確かめるにまとめています。
独学のまま得点管理を続けられるか不安な場合は、簿記の通信講座は無駄?独学のままでいい人・講座が役立つ人で、進度を外から管理する形と比べてみてください。
この記事は日本商工会議所の公表情報をもとに整理したものです。
試験内容・合格基準は変更されることがあるため、受験前に公式サイトで確認してください。


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