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簿記2級の配点を調べて、こう思いませんでしたか。
サイトによって、書いてある数字が違う。
ある記事は「第1問から第3問まで各20点、第4問28点、第5問12点」と書いています。
別の記事は「商業簿記60点・工業簿記40点」。
また別の記事は「商業簿記と工業簿記に個別の合格基準はない」。
数字だけを見比べても、どれを受験戦略の前提にすべきかは決められません。
日本商工会議所が、科目別・大問別の配点を公表していないためです。
公式が示しているのは「70%以上で合格」という基準まで。
試験科目のページにもサンプル問題のページにも、科目別・大問別の配点は記載がありません。
検索で見つかる配点表は、各社が過去問から推定したものです。
この記事では、配点表の代わりに何を見て捨て所を決めるかを扱います。
使うのは自分の過去問の点数なので、まだ過去問に入っていない段階では出番がありません。
その場合は先にテキストを1周してから戻ってきてください。

✅ この記事で分かること
- 📌 公式が配点について示していること(と、示していないこと)
- 📌 上位サイトの配点がなぜ食い違うのか
- 📌 配点表の代わりに何を見て捨て所を決めるか
- 📌 次に過去問を解いたときにやること
公式が配点について示していること
まず、出どころのはっきりした情報だけを置きます。
示されているのは「70%以上」だけ
日本商工会議所の試験科目ページに書かれているのは、次の3つです。
試験科目は商業簿記と工業簿記(原価計算を含む)の2科目。
試験時間は90分。
合格基準は70%以上。
ただし、その総得点が科目ごとにどう割り振られているかは書かれていません。
大問が第1問から第5問までの5題であることは、公式のサンプル問題ページで確認できます。
各問につき複数パターンの問題と答案用紙が公開されていますが、そこにも配点の記載は見当たりません。
※ 出典:日本商工会議所「簿記 試験科目・注意事項」「2級 サンプル問題」(2026年8月時点で確認)
ここで「非公表」と「配点がない」を混同しないことが大切です。
試験は採点される以上、実際の配点は存在します。
受験者側から確認できる固定表がない、という意味です。
そのため、学習計画を「第2問は必ず何点」という前提に固定するのは避けます。


科目ごとの足切りはない
もう一つ、公式の基準から分かることがあります。
合格基準は「総得点の70%以上」という書き方で、商業簿記だけで何点、工業簿記だけで何点という条件は置かれていません。
つまり公式が示している条件の範囲では、科目ごとの足切りは設けられていません。
工業簿記の出来が悪くても、商業簿記で埋め合わせて総得点が70%を超えれば合格の条件を満たします。
この一点を知っているかどうかで、進め方はかなり変わります。
ただし、「足切りがない」と「一方の科目を未学習のまま受けてよい」は別です。
商業簿記と工業簿記は両方が出題範囲に含まれます。
相性の悪い大問を後回しにするのは戦略ですが、科目全体を捨てると他方だけで穴を埋める必要が生じます。
過去問記録を作る目的は、損失を限定できる場所を見つけることです。

💡 判断軸
70点で受かっても、100点で受かっても、合格証書は同じです。
30点は落としてよい試験だと考えると、狙う場所が決まってきます。
次に決めるのは、どの30点なら安全かです。
上位サイトの配点が食い違う理由
配点を調べると、複数のサイトが具体的な数字を出しています。
実際に検索上位に並ぶ記事を突き合わせてみると、こうなります。
区切り方そのものがそろっていません。
大問で割る記事、科目で割る記事、割らない記事が同じ検索結果に並んでいます。
記載がそろわない背景には、元になる公式の数字が公開されていないことがあります。
この記事では、各社が挙げている具体的な点数を転載していません。
推定値は、それを出した記事の文脈と一緒に読むものだからです。
数字だけを抜き出してここに並べると、前提が抜け落ちてしまいます。
気になる場合は各社の記事を直接見てください。ここで示したいのは、そろっていないという事実のほうです。
推定はできるが、確定はできない
各社は過去問と受験者の報告から配点を推定しています。
大きな傾向としては近い数字が並ぶのも事実で、今回確認した上位4社のうち仕訳の点数に言及した2社は、いずれも1題あたり数点という近い水準を示していました。
ただし推定である以上、回によってずれる可能性が残ります。
出題形式が変われば配分も変わりますし、ネット試験と統一試験で同じとも限りません。
当サイトでは、推定配点の表を載せていません。
外れたときに損をするのは、それを見て捨て所を決めた読者だからです。
代わりに、外れようのない材料を使います。
なぜ公表されないのか
理由は公式に説明されていませんが、構造から推測はできます。
簿記2級は2021年からネット試験が始まり、統一試験と並行して実施されています。
ネット試験は受験者ごとに問題が異なるため、全員に共通の「第3問は20点」という固定の配点表を出すこと自体が難しくなります。
配点を公表しない背景には、回ごとに変わりうるものを固定値として示せないという事情があるように見えます。
だとすれば、今後も公表される可能性は高くありません。
出ない前提で組み立てたほうが、学習は早く進みます。
部分点の有無も公表されていない
「部分点はあるのか」も、検索候補に並んで出てきます。
これも公式は公表していません。
採点方法が分からない以上、「ここは部分点で拾えるはず」という前提で組み立てるのは危険です。
確実なのは、解けた問題は点になり、白紙は点にならないということだけ。
時間が足りないときに何を優先するかは、この確実な部分だけで決めたほうが安全です。
本番の時間配分と解く順番については、簿記2級の過去問で時間が足りない原因別の対処で整理しています。
配点表の代わりに、自分の得点記録で決める
公表されていない数字を追うのをやめると、代わりに使える材料が手元にあります。
あなた自身が過去問で取った点数です。
推定配点表は全受験者の平均像を示すもので、あなたの弱点は映りません。
一方、自分の得点記録には、どの論点で何点落としたかがそのまま残ります。
捨て所を決めるのに要るのは後者だけです。
大問ごとに点数を書き出す
やることは単純です。
過去問を解いたら、大問ごとに「合っていた問題の数」と「かかった時間」を書き出します。
正答数は、配点が分からなくても数えられます。
市販の問題集や過去問集には解答が付いているので、丸つけさえすれば必ず出せます。
記録する5行
- 第1問(仕訳) ◯問中◯問正解/かかった時間
- 第2問 ◯問中◯問正解/かかった時間
- 第3問 ◯問中◯問正解/かかった時間
- 第4問(工業簿記) ◯問中◯問正解/かかった時間
- 第5問(工業簿記) ◯問中◯問正解/かかった時間
問題集に推定配点つきの採点表があるなら、その点数も記録して構いません。
ただし、その点数は同じ教材内で伸びを比べるための目盛りです。
配点表がない問題は正答数で記録します。
点数と正答数を回ごとに混ぜなければ、どちらでも弱点の移動は追えます。

正答数だけでなく、その大問にかかった時間も一緒に書いておきます。
正解が少ない理由が理解不足なのか時間切れなのかは、時間を見ないと分かれません。
2回分たまれば傾向が見えます。
毎回同じ大問で正解が少ないなら、そこが弱点です。
回によって正答数が上下するなら、出題論点の当たり外れに振られている可能性が高くなります。
推定表より正確な理由
推定配点表は「一般的にこの問題は何点か」を示すものです。
あなたの得点記録は「あなたが実際にどこで何点落としたか」を示します。
たとえば第2問が毎回4点で止まっているとします。
ここに勉強時間を足すより、確実に取れている大問を本番で落とさない練習をしたほうが、合計点は伸びます。
この判断は、第2問の配点が20点であっても28点であっても変わりません。
配点が分かっても、自分がそこで何点取れるかが分からなければ、捨てる判断はできません。
配点を調べるもう一つの理由が「本番90分をどう割り振るか」であれば、そちらも同じです。
配点の大きい大問に長く時間をかけるのが正解とは限りません。
20点の大問に30分かけて半分しか取れないより、確実に取れる大問を落とさないほうが合計は伸びます。
時間の割り振りは、自分の得点効率で決めたほうが精度が上がります。
記録から読み取る3パターン
2回分の記録がたまったら、次の3つのどれに当てはまるかを見ます。
①毎回同じ大問で落ちている
その論点の理解が足りていません。中身の問題なので、テキストに戻ります。
②後半の大問だけ正解が少ない
時間切れの可能性が高い。解く順番を変えるだけで正答数が動くことがあります。
③回によって正答数がばらつく
出題される論点の当たり外れに左右されています。得意分野が狭いサインなので、範囲を広げます。
同じ60点でも、この3つで次にやることはまったく変わります。
合計点だけを見ていると、この違いが見えません。
たとえば1回目は第4問の正答が少なく、2回目は第4問をほぼ解けたとします。
理解が安定した可能性と、問題の難度差の両方が考えられます。
この時点で「得意になった」と決めず、3回目での再現を確かめましょう。
逆に、2回続けて同じ誤り方をしたなら、論点の復習へ戻る根拠になります。
記録は、同じ症状が繰り返されるかを確かめるために使うものです。

70点までの道筋を1つ決める
各大問の満点が分からない以上、点数を足して70点を作ることはできません。
代わりに決めるのは、取りに行く順番です。
記録を見て、5つの大問を3つに仕分けていきます。
①確実に取る(2〜3問):2回とも、出題された問題のほとんどを正解できている大問。本番で最初に確保する
②時間があれば取る(1〜2問):回によって正答数が上下する大問。①の後に着手する
③後回しにする(0〜1問):2回とも、ほとんど正解できていない大問。本番では最後に回す
③は0問でも構いません。後回しにする大問を無理に作る必要はありません。
重要なのは、本番で迷わないよう着手する順番を先に決めておくことです。
決めておかないと、全部を追いかけて時間切れになります。
どの論点を捨てるかで迷う場合は、簿記2級の連結会計は捨てていいのかで、捨てる場合の条件を整理しています。
優先順位は、次の過去問で実際に試して完成させます。
「確実に取る」と決めた大問から着手し、90分で最後まで進めるかを試してください。
前半で時間を使い切ったら、順位のつけ方を見直す合図です。
後回しの大問に十分な時間が残ったら、次は「時間があれば取る」を1つ前へ動かせます。
この調整を2回繰り返せば、自分向けの解答順序が出来上がります。

「第1問が難しい」「第2問が難しい」と感じたとき
配点と並んで検索候補に出てくるのが、この2つです。
どちらも配点の大きさより、詰まり方の種類が違います。
第1問は仕訳問題です。
複数題がまとまって出るため、ここを落とすと影響が広がります。
ここで詰まるときは、問題文のどの語が勘定科目に対応するかを読み取れていないことが多い。
対策は仕訳を増やすことより、同じ論点の問題文を並べて読み比べることです。
第2問は、回によって出題される論点が大きく変わり、連結会計や株主資本等変動計算書のような範囲の広い論点も入ります。
「難しい」と感じる背景には、出題論点の当たり外れの幅があります。
だから第2問は、記録の3パターンでいえば③に当たりやすい大問です。
ここを全部押さえようとすると学習量が跳ね上がるので、点が読める大問を先に固めてから戻るほうが合計は伸びます。
第1問で止まった日は、誤った仕訳の答えだけを覚え直しても再発を防ぎにくいです。
問題文の「売上げた」「前受けした」「決済した」といった手がかりと、借方・貸方の動きを組にして見直しましょう。
第2問で止まった日は、その回の論点が未学習だったのか、学習済みなのに手順がつながらなかったのかを分けます。
未学習なら範囲を広げ、学習済みなら時間を測らず解き直し、途中式のどこで止まったかを特定してください。
「難しかった」をこの粒度まで分解できれば、次に開くページが決まります。

💡 判断軸
「この大問は難しい」で止めず、時間をかければ解けたのかまで見てください。
時間があれば解けたなら順番の問題、時間をかけても解けなかったなら理解の問題です。
同じ「難しい」でも、次にやることが逆になります。
よくある質問
ここからは、配点を調べたときに残りやすい疑問を、公式に確認できる範囲と実践上の目安に分けて答えます。
「公式」と書いていない目安は、教材や過去問演習の中で使う学習用の基準です。

この方法が向かない人・急がなくていい人
まだこの記事の内容が要らない人
- まだ過去問に入っていない(記録するものがないため、先にテキストを1周する)
- 工業簿記が未着手(捨て所を決める前に、全体像を見る必要がある)
今日から使える人
- 過去問を1回以上解いていて、点数が60点前後で止まっている
- どこを直せば70点に届くかが分からない
まとめ:配点表探しを終え、自分の点数表を作る
公式が示しているのは「70%以上」という基準だけです。
科目別も大問別も公表されておらず、検索で見つかる配点表はすべて推定です。
捨て所が決まるのは、自分が実際にどこで落としているかを見たときです。
今日やること
配点表を探すのをやめて、紙に5行だけ書いてください。
第1問から第5問まで、次に過去問を解いたときの点数を埋める欄です。
2回分たまれば、どの大問を捨てるかが自分で決まります。
▷ 何かを買う必要も、申し込む必要もありません。

試験の全体像から確認したい場合は、簿記2級とは?公式の数字で確かめるにまとめています。
独学のまま得点管理を続けられるか不安な場合は、クレアール簿記2級の評判|勉強時間・料金と独学との違いで、進度を外から管理する形と比べてみてください。
この記事は日本商工会議所の公表情報をもとに整理したものです。
試験内容・合格基準は変更されることがあるため、受験前に公式サイトで確認してください。

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