簿記3級の第2問は捨てるべき?3つの進め方を比較する

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こんにちは、独学ガイド編集部です。
過去問の第2問で時間を使い切り、時計を見て「もう第3問に行かないと」と焦った経験はありませんか。
次の演習で、試しに第2問を最初から飛ばしてみたこともあるかもしれません。
それで本当に合格できるのか、不安になって検索した人も多いはずです。
結論からいうと、第2問を完全に捨てる進め方はおすすめしません。
日本商工会議所が公表している採点条件(60分・合格基準70%以上)から見ると、完全に捨てるより、時間を区切って部分点を拾う方が合格の安定性は高くなりやすいと考えられます。
この記事では、その理由と、3つの進め方の比較を整理します。
✅ この記事で分かること
- 📌 第2問を完全に捨てるとリスクになる理由
- 📌 3つの進め方(完全に捨てる/最後に回す/部分点狙い)の比較
- 📌 それぞれの進め方が向いている人
- 📌 本番で試すべき解く順番と時間配分
読者が最も迷いやすいのは、「捨てる」という言葉を、そのまま「0点でよい」と受け取ってしまう点です。
実際に検索上位の解説記事の多くは、「第2問は捨て問ではなく、部分点を拾うボーナスタイム」という立場を取っています。
つまり、多くの人がすでに「完全には捨てない」方向で対策しているのに、検索する側は「捨てる」という言葉に引っ張られて、両極端な二択で悩んでしまいがちです。
一方で、「第2問を完全に捨てて合格した」という体験談も存在します。
ただし、これは第1問・第3問で高い精度を保てた人の結果であり、その人の実力を抜きにして進め方だけをまねると、同じ結果にならない可能性があります。

簿記3級の第2問を完全に捨てるとリスクになる理由
採点条件から見ると、完全に捨てる進め方には構造的な弱さがあります。
ここでは、その理由を確認します。

合格基準は70%以上、大問ごとの最低点は非公表
簿記3級は、100点満点中70点以上で合格です。
大問(第1問・第2問・第3問)ごとの最低点は、公式試験要項に明記されていません。
そのため「第2問が0点でも他でカバーできる」という考え方が成立するかどうかは、公式には確認できません。
ただし、1問のミスが致命傷になりやすい
第2問を最初から0点前提にすると、第1問・第3問のどちらかで小さなミスをしただけで、合格ラインを割り込みやすくなります。
第1問は仕訳の勘定科目や金額を1つ間違えるだけで失点し、第3問も転記や集計を1か所間違えると、そこから先の数字がずれて連鎖的に失点することがあります。
第2問という「保険」を最初から外していると、この種の小さなミスを吸収する余地がなくなります。
あなたが本当に避けたいのは、第2問を解くことそのものより、時間切れで第3問まで手が回らないことかもしれません。
だとすれば、対処すべきは時間の使い方です。
第2問の配点は公式に非公表
第2問の具体的な配点は、日本商工会議所の公式試験要項に明記されていません。
「6点以上を狙う」「10〜14点が目安」といった数字は、各解説者の経験則にとどまります。
複数の解説者が近い数字を挙げていること自体は、参考情報の一つにはなりますが、公式配点ではありません。
ただし、公式の裏付けがない数字を、合否を左右する前提として使うのはリスクが残ります。
配点が読めない以上、「捨てても他でカバーできる」という前提そのものが不確かだといえます。
配点が高いか低いかで、「捨てても届く精度」は大きく変わりますが、それを試験前に知る手段はありません。
見積もれない以上、実務的には「配点は低くない」という前提で準備しておく方が安全です。

低く見積もって外れたときの損失(不合格)は、高く見積もって外れたとき(第2問に時間を使いすぎて見直し時間が減る程度)より大きいためです。
ネット試験と統一試験で、対策の効き方が変わる
簿記3級には、年3回の統一試験(ペーパー)と、随時受けられるネット試験があります。
日本商工会議所は、ネット試験について「受験者ごとに異なる問題が、出題範囲からランダムに出題されます。
同じ日の同会場、隣席者とも違う問題が出題される」と説明しています。
出題範囲・難易度・合格基準は統一試験と同じですが、同じ日に同じ会場で受けた人とも問題が異なるため、「前日にSNSで見た第2問の傾向」のような情報は、そのまま自分の回に当てはまるとは限りません。
ネット試験を受ける場合、第2問の対策は「特定の1問に慣れる」のではなく、「補助簿・勘定記入・伝票会計という3つの形式のどれが出ても、最低限の型を思い出せる」状態を目指す方が現実的です。
一方、統一試験は同じ回の受験者全員が同じ問題を解きますが、2021年度以降は試験終了後に問題が回収される運用になっているため、直前の年度の実物の過去問が市場に出回ることは基本的にありません。
結局のところ、ネット試験でも統一試験でも、「今年のヤマを当てて第2問だけ集中的に仕上げる」という対策は成立しにくく、3つの形式に広く触れておく方が両方の試験方式に対応できます。
簿記3級の第2問を捨てる代わりの3つの進め方
「捨てるか解くか」の二択より、3つの進め方として比較すると選びやすくなります。
あなたに合う進め方はどれか
3つを比べる前に、次の3点を自分に当てはめて考えてみてください。
1つ目、過去問演習で第1問・第3問を解き終えた時点で、制限時間の何割を使っているか。
2つ目、本番のような緊張状態で、普段どおりのスピードを保てる自信があるか。
3つ目、残り時間が少なくなったとき、冷静に「ここで区切る」と判断できるか、それとも1問に固執しやすいか。
この3点への答えが、後述する3つの進め方のどれに向いているかをおおよそ決めます。
まだ過去問演習を始めていない場合は、この3点にすぐ答えられなくてもかまいません。
その場合は、公式サンプル問題を1回分だけ時間を計って解いてみてください。
それだけで、1つ目・2つ目の答えのおおよそが分かります。
目安は次のとおりです。
1つ目で時間を8割以上使っていて、かつ3つ目で1問に固執しやすい人は、進め方3(時間を区切って部分点を狙う)が合いやすい傾向にあります。
あらかじめ上限を決めておかないと、そのまま時間切れになりやすいタイプだからです。
1つ目で6割以下しか使っておらず、2つ目にも自信がある人は、進め方2(最後に回す)で十分に対応できます。
時間に余裕があるなら、あらかじめ上限を決めなくても、残り時間を見ながら柔軟に判断できます。
1つ目・2つ目とも余裕があり、なおかつ第2問の形式にどうしても慣れる時間が取れない人だけが、進め方1(完全に捨てる)の対象になります。
3つの答えが人によって混ざる場合は、安全側である進め方3を基準にし、過去問演習を重ねながら進め方2へ調整していく方法もあります。

「第2問の形式に慣れる」とは具体的に何か
ここまで「第2問の形式に慣れる時間があるか」という基準を使ってきましたが、形式には主に3つの系統があります。
補助簿は、特定の勘定科目や取引先ごとの動きを、指定された帳簿の様式に沿って記入する問題です。
現金出納帳や売掛金元帳など、帳簿ごとに列の並びや記入するタイミングが異なるため、様式そのものを見た経験がないと、取引の内容は理解していても、どの欄に何を書くかで迷いやすくなります。
勘定記入は、仕訳をもとに、総勘定元帳などの勘定口座へ転記する問題です。
借方・貸方のどちらに書くか、相手科目をどう記載するかという転記のルールに慣れていないと、仕訳自体は合っていても転記でずれることがあります。
伝票会計は、伝票に記載された取引を、帳簿へ集計・転記する問題です。
複数の伝票をまとめて集計する形式に触れた経験がないと、1枚ずつは理解できても、集計の段階で時間がかかることがあります。

3つとも、第1問の仕訳そのものは理解していても、様式ごとの書き方や集計の手順を知らないと手が止まりやすい、という共通点があります。
「慣れる時間がない」とは、この様式への対応を指すもので、簿記の理解不足を意味するとは限りません。
この3つの様式にどれくらい慣れているかを確かめる方法の一つが、日本商工会議所が無料で公開している公式サンプル問題です。
市販の問題集は出版社ごとに出題の偏りがありますが、公式サンプル問題であれば、実際の試験形式に近い状態で、補助簿・勘定記入・伝票会計のどれが自分にとって時間のかかる様式かを確認できます。
「第2問の形式に慣れる時間があるか」を判断する前に、まず一度、公式サンプル問題の第2問だけを時間を計って解いてみると、進め方を選ぶ材料になります。
公式サンプル問題だけでは演習量が足りないと感じた場合は、問題集で3つの形式を追加演習する方法もあります。
市販の問題集で形式ごとの演習量に偏りが出るのが不安なら、講座教材が3つの形式をどう配分しているかを無料資料で見比べる方法もあります。
独学ガイド編集部より
3つの進め方は、感覚で分けたものではなく、採点条件(60分・70点以上・大問ごとの最低点は非公表)から逆算しています。第2問を0点前提にすると1問のミスが致命傷になりやすい一方、上限を決めずに取り組むと今度は時間切れのリスクが残ります。どちらの失敗も避けたい人ほど、「捨てるか解くか」ではなく「何分まで使うか」で考えたほうが、判断がぶれにくくなります。
この表から分かるのは、どの進め方にも一長一短があり、状況によってどれが合うかが変わるということです。

ここでは、それぞれの進め方が向いている人・向かない人を整理します。
進め方1:完全に捨てる
向いている人
- 試験までに第2問の形式に慣れる時間がどうしても取れない
- 第1問・第3問の演習で、すでに安定して満点近くを取れている
- 第2問に使うはずの時間を、第1問・第3問の見直しに回したい
向かない人
- 第1問・第3問でのミスを絶対に避けられる自信がない
- 本番の緊張でケアレスミスが増えやすい
- ぎりぎりの合格でなく、余裕を持って合格したい
第1問・第3問だけで70点に届くかどうかは、第2問の配点が非公表である以上、確実には言えません。
どうしても第2問の形式に慣れる時間が取れない人以外には、あまりおすすめしません。
進め方2:最後に回す
向いている人
- 第1問・第3問の解答スピードに自信がある
- 残り時間を見て柔軟に判断したい
- 取りやすい小問だけでも拾いたい
第1問→第3問→第2問の順に解き、残った時間で第2問の取りやすい小問だけ拾う進め方です。
上限時間を決めない分、第1問・第3問に時間を使いすぎると第2問が未着手のまま終わるリスクがあり、残り時間を見て自分を止められるかどうかが成否を分けます。
進め方3:時間を区切って部分点を狙う
向いている人
- 本番で時間管理を崩しやすいと自覚している
- 合格の安定性を優先したい
- 過去問演習で時間を計る練習ができる
たとえば第1問15分・第3問20分をめどにし、第2問に15分、残りの10分を見直しに充てるなど、あらかじめ配分を決めておき、時間が来たら次の大問に進む進め方です。
この15分・20分・15分という数字そのものは、60分を大きく3つに割った一例にすぎません。
実際の配分は、過去問演習で自分がどの大問にどれだけ時間を使っているかを計り、そこから調整して決めてください。
この配分の考え方には理由があります。
第1問は仕訳問題が中心で、パターンを覚えていれば1問あたりの判断は比較的速く進められる大問です。
第3問は精算表や財務諸表の作成など、転記作業を伴う大問で、手を動かす量が多いため時間がかかりやすい傾向があります。
第2問は補助簿・勘定記入・伝票会計のどれが出るか読みにくく、得意な形式なら短時間で終わる一方、不慣れな形式だと時間が伸びやすい、変動の大きい大問です。
この変動の大きさこそが、第2問に「上限」を決めておく理由です。
上限なく取り組むと、不慣れな形式に当たったときに第3問の見直し時間まで食いつぶしてしまいます。
完答を目指さず、小問単位で得点を積む考え方です。

見直し時間をどう使うか
3つの進め方のどれを選んでも、見直しの時間をどこに使うかで結果が変わります。
見直しは全体を最初から読み返すより、優先順位をつけて行うほうが、限られた時間でも効果が出やすくなります。
最優先は、第1問の仕訳で借方・貸方を逆にしていないか、金額の桁を間違えていないかの確認です。
次に、第3問の集計・転記で数字がずれていないかを確認します。
第2問は、時間が余ったときだけ、空欄のまま残っている小問がないかを確認する程度にとどめてください。
見直しの優先順位を先に決めておくと、残り時間が少なくても「何を見ればいいか」で迷わずに済みます。

進め方を決めても崩れやすい失敗パターン
進め方そのものは正しくても、練習の仕方によっては本番で崩れることがあります。
時間配分を「決めただけ」で、過去問演習で試していない
第2問を15分と決めても、実際に時計を見ながら解いた経験がなければ、本番で15分がどれくらいの感覚か分からず、気づけば予定を超えていることがあります。
残り時間が減ると焦りが強くなり、「あと少しで解けそうだ」という感覚に引っ張られて、区切ると決めていたはずの時間を超えてしまいやすくなります。
この焦りは練習していない人ほど強く出るため、時間配分は、決める作業と、実際に計って守る練習をセットで行ってください。
紙の過去問だけで練習し、ネット試験の画面操作に慣れていない
ネット試験を受ける予定なら、紙に書く感覚と画面に入力する感覚の違いにも時間を使うことになります。
特に第2問は補助簿・勘定記入・伝票会計など表形式の入力が多いため、内容は分かっていても、マス目の移動やクリック操作に手間取って時間を消費することがあります。
頭の中で答えが出ているのに手が追いつかない、という状態の原因は、知識不足より操作への不慣れであることがほとんどです。
1つの形式だけを繰り返し、他の形式を後回しにする
補助簿が得意だと分かると、演習もつい補助簿ばかりに偏りがちです。
解ける問題を解くほうが手応えを感じやすく、苦手な形式に向き合う気まずさを避けられるため、自然とそちらへ時間を使ってしまいます。
本番でどの形式が出るかは選べないため、得意な形式をどれだけ磨いても、不慣れな形式が出た瞬間に対応できなくなるという弱点は残ったままになります。

資料請求の前に確認しておきたいこと
演習量を増やす目的でクレアールの資料を請求する場合、次の点は確認しておくと、あとで判断しやすくなります。
資料の対象が簿記3級パックかどうか。
問題演習の分量や、補助簿・勘定記入・伝票会計のような形式別演習がどの程度含まれているかは、この記事だけでは分かりません。
届いた資料の目次やサンプルページで、第2問の3つの形式それぞれに演習問題があるかを具体的に確認してください。
教育訓練給付制度の対象になるかどうかは、講座やコースによって条件が異なります。
料金やキャンペーンも変更されることがあるため、いずれも判断の基準は資料請求時点の公式情報に置いてください。
よくある質問
まとめ|簿記3級の第2問は捨てるのではなく時間配分で決める
第2問を完全に捨てる進め方は、理論上は可能でも、1問のミスが致命傷になりやすい構造です。
第2問の配点も公式には非公表のため、「捨てても他でカバーできる」という前提自体が不確かです。
ネット試験・統一試験のどちらでも、特定の1問だけを狙い撃ちする対策は成立しにくく、補助簿・勘定記入・伝票会計という3つの様式に一通り触れておく方が、結果として時間配分の余裕にもつながります。
本番の緊張下でも普段どおりのペースを保てる人、第1問・第3問の演習ですでに安定して満点近くを取れている人は、進め方1(完全に捨てる)も選択肢になり得ますが、他の大問での失点を吸収する余地は小さいままです。
時間に余裕があり、残り時間を見て柔軟に判断したい人は、進め方2(最後に回す)で十分です。
本番で時間管理を崩しやすいと自覚している人、合格の安定性を優先したい人は、進め方3(時間を区切って部分点を狙う)を基準にしてください。
いずれの進め方を選ぶ場合も、演習量そのものが足りないと感じたら、本番の解き方だけを工夫するより先に、教材や講座で演習の機会を増やすことも選択肢に入れておいてください。
独学のまま演習量を増やす場合と、講座に切り替える場合で、費用と勉強時間がどう変わるかは、クレアール簿記3級と独学を比較した記事で確認できます。
「捨てる」を選ばずに済むのは、第2問の型を一通り演習した人だけ
第2問を捨てるという判断が必要になるのは、多くの場合、補助簿・勘定記入・伝票会計それぞれの様式に十分触れないまま本番を迎えるからです。配点が非公表である以上、捨てる前提の準備はリスクが残ります。クレアールの無料資料では、第2問の各様式にどれだけの演習が用意されているかを確認できます。捨てるか解くかを決める前に、演習量の目安として見ておく価値があります。
▷ 第1問・第3問だけで7割が安定している人には不要です。第2問で毎回止まる人だけ見てください。
この記事の続きに関係する疑問
- 仕訳の基礎から見直したくなったら → 簿記3級 仕訳が覚えられない|3ヶ月で定着した勉強の進め方
- 教材を買うか迷ったら → 簿記3級はテキストいらない?買わない判断ができる条件
- 受験自体を迷っているなら → 簿記3級はやめとけと言われる理由は「価値がない」ではない
- すでに一度落ちてしまったなら → 簿記3級を舐めてた人へ|落ちた原因を受験方式から立て直す
本記事は2026年8月に、日本商工会議所の公式サイトで試験時間・合格基準を確認して作成しました。制度は更新されることがあるため、最新情報は日本商工会議所の公式サイトでご確認ください。


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